山本 清次さんのタイトル 

Interview

テンプル ──

先生の書かれた『本能を呼び覚ます 四つの原則』のご本に、「引きこもりの方は精神的に何かあるというよりは、身体がうまく働いていない、特に右の膝にトラブルを抱えている方が多い」とありました。それについて少しお話しいただけますか。

山本先生 ──

整体の観点から見たら、ということになりますが、右の膝を壊すと、新しい世界にジャンプしなくなるんです。不登校は、長い休みが終わった後になりやすいんですね。夏休みが終わった9月や、学年が変わる、入社する、入学するというタイミングで外に行けなくなるという方が多いそうです。そして不思議なことに、その方々のほとんどが右足に不調を持ってる。右の膝をサッカーで痛めた、バレーで痛めた、スキーをやって打ったといったことがあり、それをそのまま放置して治さずにいると、新しい世界に飛び出すことを怖がるようになります。 これは不登校の子供達の身体を見ると何故か右の膝の動きが悪いとしか言いようがないんですけども、長く観察した結果、そのようなことがある、ということが分かっています。アトピーが出る方も右の膝を痛めたりされています。とはいえ、右の膝が全て不登校に関係があるかといえば、そういう訳ではありません。ただ右の膝を痛めるとそうなりやすい、とは言えます。

テンプル ──

左膝は関係ないんですね。

山本先生 ──

そうなんです、右の膝なんです。右の膝を痛めると、性格が暗くなる、やる気が出ない、何かチャレンジすることが億劫になる・・・。

テンプル ──

ということは、最近なんだか私はやる気が出ないなぁと思ったら、まず右膝をケアすればいいということになりますね。

山本先生 ──

そうですね。右の膝を温める、右の膝をマッサージなどもいいと思います。不登校の子供達に右の膝、痛くなったことある?と聞くとだいたい「ある」っていう子供が多いです。

テンプル ──

不登校や引きこもりの方には、どういうアプローチをされていらっしゃるんですか?

山本先生 ──

子供たちは1人1人違いますので、全員が同じアドバイスではありませんが、みなさんに共通したいくつか約束事を守ってもらいます。約束を守れば、それ以外は好きにしていいよと伝えています。

1つ目は起きる時間を決めて、その時間に必ず起きる。朝7時でもいいし、10時でもいい。とにかく自分が決めた時間には起きる。もしまだ眠たければまた寝てもいいけど、時間になったら一度は起きて、服を着替える。そして夜は必ずパジャマに着替えて寝る。

テンプル ──

必ず朝1度は布団から出るわけですね。

山本先生 ──

そうです。寝たのが朝6時でも、朝7時に起きると決めていたなら朝7時に起きて着替えます。

二つ目は走る。これは体力をつけるために走ってもらいます。学校に行くには、やはり体力が必要です。勉強する体力、学校に行く体力がすでに彼らにはないんです。座っていられない。それでまた不登校になってしまうので、とにかく体力は落とさない。

後はテレビゲームをずっとしていてもいいので、1日1回は走ってもらいます。 後は1週間に1回もしくは2週間に1回、身体の微調整をしていきます。ちゃんと約束守ってくれた子供さんは100%学校に復帰できるようになっていますし、社会復帰できます。ただ、それすら続かない、親がちゃんと治療に連れてきてくれないというのは私の方では何とも出来ません。復帰した子どもは、大学に行きたいとか、それぞれの進路に進みたくなり、教職に就いたり専門職についた子もいて、みんな頑張っています。

テンプル ──

これも、先生のご本に書いてあったことですが、「四十肩、五十肩は、体が持っている死なない工夫の1つです」とあり、非常に面白く拝見しました。このことについてもご説明いただけますか?

山本先生 ──

40代、50代になると、そのような肩の不調が起きやすくなりますが、そういった年代になると、だいたい血液は濁っています。そして、手を上にあげると血は頭に上っていきます。

テンプル ──

腕を上に上げてるだけで、頭に血が上るんですか。

山本先生 ──

インドでは、手を上にあげ続ける修行や罰のようなものがあります。しばらくすると、手をあげ続けている人の顔は真っ赤になっていきます。ということは、座っていても、立っていても、手を上にあげているだけで血液は頭にのぼっているわけですね。となると、腕が上がらないのは、血液を頭に出来るだけあげないように身体がしているとも言えますよね。何故なら、その人の血液が濁っているからです。

テンプル ──

濁っている血液から脳を守ってるわけですね。

山本先生 ──

そのまま上がり続けていくと脳梗塞になってしまう、その防御方法として身体は四十肩、五十肩にさせているわけです。人は120年生きるようにできています。 肩関節に整形外科的な異常がないのに上がらないのは血液が濁っている可能性があります。

テンプル ──

ということは、四十肩、五十肩を治そうとして整体に行った。腕が上がるようになって良かった、という簡単な話ではないんですね。腕が上がらないことを警告ととらえ、食生活を見直して綺麗な血液にしていく必要がありますね。

山本先生 ──

血液の濁りをそのままにして、肩だけ直そうとすると、後々矛盾が起きてきます。 綺麗な血液になれば、四十肩、五十肩である必要はなくなりますから自然に肩も治って行きます。

テンプル ──

先生のお話を伺って、あっと気づいたことがあります。ケイシーが薄毛や抜け毛に悩んでいる人に与えたアドバイスに、原油療法という特殊な方法があります。未精製原油で頭皮をマッサージする、というものなんですが・・・。まず未精製原油で頭皮をマッサージをして頭皮の環境を整え、次に食生活を変え、毒素排泄をして良い血液を作るという2つのアプローチをしていきます。ただ頭皮マッサージは30分くらいやらなくてはならないんで、一人でやるとけっこう大変です。人に頭皮マッサージをしてもらう方が楽ではあるんですが、先生のお話を伺うと、自分でやることで血液が頭に上がる、というのに意義がありそうですね。もちろん濁った血液ではなく、キレイな血液を頭に上げる必要がありますが・・・。ちょうど40代、50代くらいから髪の悩みは出てきますから、健康で状態のよい血液をキープすることは、肩にも髪の毛にも良い影響を与えていますね。