ジュリアン・シャムルワさんのタイトル 

Interview

テンプル ──

その気配が何であったにせよ、ジュリアンにはもともとそういう見えない波動を敏感に感じるような素質が備わっていたんでしょうかね。だから“宇宙存在”とコンタクトしやすいという。

ジュリアン ──

それはどうでしょう。“宇宙存在”とのコンタクトは何も僕が特別だからできるということではなく、誰にでも起こりえることなんですよ。なぜなら、僕の兄や友達も次々に同じような体験をし始めたからです。友だちが飼っていたワンちゃんも“宇宙存在”の訪れがあるときにはどこかに隠れていました。気配を感じ取っているんですね。

テンプル ──

動物は敏感ですものね。彼らが時々誰もいない方向に向かって吠えたり鳴いたりしているのは、何か人には感知できないものを見ているのでしょう。ジュリアンのご友人も一緒にいるうちに同じような体験をするようになったということは、“宇宙存在”とコンタクトを取るのに、特別な素質やスキルは関係ないと。ただ少なくともジュリアンの場合、UFOや宇宙人に興味を持っていたことが、コンタクトを取るようになったきっかけでしたよね?

ジュリアン ──

そうですね。確かに16歳の時、彼らに『会ってみたい』とテレパシーを送ったことが、それから始まるすべての出来事のスイッチになったように思います。実際にその数日後の夜中に突然、『会いに行くよ』と誰かに言われたような気がしたことがあったんですよね。その時はそう聞いた後にとても怖くなってきて、寝ようと思いながらも眠れないまま朝を迎え、起きてから母に昨夜の体験を伝えたんです。すると母は「想像力が豊かになってきたのね」で終わり(笑)。だから、しばらくの間は自分でも『あれは気のせいだったんだ』と思うようにしていたんです。

でも、初めてUFOを見ることになる少し前のある日、なぜか晩ご飯を食べた後で外に出て散歩をしようと思ったことがありました。僕が住んでいたのは田舎だったので、夜に散歩をしようだなんて我ながら不思議だなと思いましたが、それ以来、散歩をするのが習慣になったのです。そして、『もし今UFOを見たら自分はどういう反応をするのかな』とか、『今の時点ではまだ心の準備が足りないかな』とか、散歩をしながらよく思っていたんですよ。だから、その頃からUFOを見るための心の準備を始めていたのかもしれません。

幸いだったのは、UFOを初めて見たのが一人でいる時ではなく、友達と一緒にいた時だったこと。一人で見ていたらパニックになっていたかもしれませんし(笑)、友達と共に遭遇できたことで、私の頭がおかしくなったわけじゃないという証明になりますから。

テンプル ──

それは彼らなりの配慮だったのかもしれませんね。でも、面白いですね。UFOを見たいと思っていたのに、実際に遭遇するとなると怖いという(笑)。

ジュリアン ──

あの時期は、宇宙人による拉致事件について特集されている雑誌やテレビをよく見ていまして。そういう恐ろしい目には遭いたくないなと思っていたんです(笑)。もっと言うと、僕がUFOや宇宙人に興味を持っていたのにも関わらず、いざ遭遇する段になると怖いというのは、心で感じることと頭で考えることが乖離していたからなのでしょう。つまり、人間には、“ハートで感じる自分”と、“脳で考える自分”という2人の自分がいるということ。そして、その2人のうち“脳で考える自分”というのは“仮の自分(仮の存在としての自分)”であり、“ハートで感じる自分”こそが“永遠の自分(永遠の存在としての自分)”であるということを、その後のワンネス体験によって気付かされることになりました。

テンプル ──

ジュリアンが“宇宙存在”にもう来ないでほしいと何度も伝えているのに、彼らはお構いなしにやって来ていましたよね。それは、“仮の自分”のジュリアンは来ないでと言い、“永遠の自分”のジュリアンは来てもいいよと言っていたということですね(笑)。

ジュリアン ──

そういうことになりますね(笑)。本当は、できれば自分の都合のいいときに条件つきで来てくれるなら来てもいいよ、という感じだったのですが。たとえば彼らが夜ではなくお昼にベルを鳴らしてくれて、「どなたですか?」「あ、宇宙人です」「はい、どうぞ」というような来訪だったら、脳が受け入れられるんですよ。でも、あのとき僕はまだ自分のアイデンティティさえ確立できていないティーンエイジャーでした。心理的にとても不安定だったのに加え、未知の体験に遭遇するとなると、コントロール不能な状態に脳がパニックを起こしてしまうのも無理はないでしょう?

テンプル ──

でも“永遠の自分”のジュリアンは、彼らが来ることに対して、OKをずっと出し続けていたということですよね。

ジュリアン ──

はい。そのようです。そう他人事のように言っているのは、あるとき存在が『今晩行くよ』と言ってきたとき、僕が『わかりました。僕もあなたたちに質問したいことがあります』と心の中で言うのを聞いて、『ちょっと待てよ。いまOKを出したのは誰なんだ!?』というやり取りをしたことがあったからです。つまり“永遠の自分”がOKを出す声を“仮の自分”が聞いて、とまどっていたんですね(笑)。

テンプル ──

面白い! ジュリアンは、“永遠の自分”と“仮の自分”の2人の自分の間で葛藤していたというわけですね。先ほど、“永遠の自分”はハートで感じる自分、“仮の自分”は脳で考える自分だというお話がありました。ハートと脳の役割の違いについて教えていただけますか?

ジュリアン ──

端的にいうと、ハートは魂の次元にアクセスし、無限に広がる宇宙からの膨大な情報をキャッチするという役割を持つもの。それに対して脳というのは、iPhoneに内蔵されているSiriのように、スケジュールを出してくれたりアポイントを入れてくれたりする優秀なアシスタントだと僕は思っています。だから、この物質次元の中で生活するための素晴らしい道具ではあるけれど、“永遠の自分”ではありません。“永遠の自分”とは、脳と肉体を道具として使っている、物質次元を超えた魂なのです。道具なら、脳よりもSiriの方が優秀かもしれません(笑)。