ジュリアン・シャムルワさんのタイトル 

Interview

ジュリアン ──

僕はチャネリングなどもしたくないので、伝える時にもアニヤに『君のスピリットガイドからメッセージがあって……』とは言わずに、ただ僕のアドバイスとして伝えていました。媒体が誰かということより内容にフォーカスしたいからです。

テンプル ──

そうしないと、周りの人がスピリットからの情報に依存してしまったり、スピリットからも頼られてしまいますしね。

ジュリアン ──

そうですね。それに、どこからそのメッセージが来たかということを気にするよりも、メッセージの内容に集中した方がいいと思うんです。スピリットからのヒントを僕のアドバイスとして伝えることで、悩んでいる人の問題が少しでも解決していけばいいだけですから。

テンプル ──

日本には、霊能者からスピリチュアルなメッセージを受け取るときに、その内容が信頼できるものかどうかを精査する審神者(さにわ)という存在がいます。なぜなら怪しい人も多いですし、優れた霊能者でも常に高い次元に繋がっているとは限らないからです。ジュリアンは、低次元の存在と繋がっているんじゃないかと不安になることはないですか?

ジュリアン ──

ないですね。『類は友を呼ぶ』ということわざがあるように、同質のものどうしが引き寄せあうと思っているからです。

テンプル ──

ジュリアンはそこに揺るぎない自信があるんですね。ワンネス体験を通して、波動が高いか低いかという状態についてよく分かっているからでしょうか。

ジュリアン ──

そうですね。それから、仮にAさんという人が悩みを解決するのにそのメッセージは本当に適しているのか? 僕がサポートしたいという思いにマッチしているのかなどを、客観性を持ってしっかり確認しています。そのうえで、たとえばAさんが①、②、③の解決方法を考えてみたけれど今一つだと思っていたところに、僕が全く新しい④というアイデアを伝えてみる。するとAさんはこれまでに思いつかなかった新しい方法なので、試してみようかなということになるわけです。そんな風に、ちょっとしたインスピレーションを与えることで相談者の凝り固まっていた考えに風穴が空き、それによって問題が一気に解決するということがよくあるんですね。

ただし、アドバイスをするときには、相談者がこれからどうするのかを自分で決められるように、決して『こうしなさい』とは言わないように気を付けています。あくまでも、その人の人生の選択の自由を侵略するようなアドバイスはしたくないんです。だいたい、長い話をして相談者を説得しようとするのは一体どんなスピリットなのかと疑問に思うんですよ。物質次元におけるこの短い人生で、私たちの本質はこの肉体を使っている“魂”であり、スピリットと自分は対等の存在なんですから。それに僕はまず“自分の人生”を生きていて、僕の魂がこの肉体を使っているので、それを誰かに貸すというアイデアに賛成はできないですし。だから僕に『どうすればいいですか』と答えを求める相談者には、それは自分自身にしか分からないことだから、という風に返事をしています。

テンプル ──

相談者にヒントを与えるだけで押しつけないということですね。

ジュリアン ──

はい。スピリットなどの存在はヒントしか与えないし、もしスピリットから『こうしなさい』と言われたら、『そんな風に決めつけるあなたはいったい誰?』と、僕は抵抗します。

テンプル ──

ジュリアンは、霊能者と審神者の一人二役をやっているようなものですね(笑)。だから低次元のスピリットが来たら、すぐにこれは違うなと分かるという。

ジュリアン ──

はい。感覚でスピリットの質が分かるんですよね。でも、そもそも低次元のスピリットはやって来ないな。波動が違うので、お互いが合わないんです。

テンプル ──

なるほど。良い波動には良いスピリットがやって来るということですね。ただし、高い波動を引き寄せるには、自分を常にいい状態に保っていないといけませんよね。人間にはいろんな意味で波があって、状態がいい時もあれば悪い時もある。その悪い状態のときに、うっかり悪い波動を引き寄せてしまうことだってあるかもしれない。そうならないようにジュリアンが常に自分を良い状態に保ち、良いスピリットと繋がるために何か心がけていることはありますか?

ジュリアン ──

とにかく自分のことを徹底的に観察したり、何か直すべき点があるかどうか自己催眠で探ったりしています。ヒントが欲しいときにはワンネスの世界にアクセスすることもありますね。それからグラウンディングすること。周りの状況に巻き込まれるというのは良くないですから。

テンプル ──

確かに霊能者でもちょっとおかしくなる人って、自分を客観的に見ることができなくなってしまっているような気がします。完全に他の存在にのっとられてしまっているというか。あと、周りが『先生、先生』とあがめたてまつっていると危ない。みんなが先生の“お言葉”に従うようになると、その霊能者自身が自分を演出するようにもなりますよね。そして自分をそういうポジションに置くのが心地よくて、もう謙虚にふるまうことができなくなってしまう。ジュリアンの場合は『自分の方がいろんなことが分かるから偉いんだ』という風にはならずに、常にどんな相手であれフラットに接していますよね。

ジュリアン ──

みんなが繋がっているからです。本にも『私はあなた、あなたは私』と書いたように、それを心から実感すると、もう二度と『あなたはそっち、私はこっち』という分離の観点にならなくなるんですよ。だから、僕は相談者であり、相談者は僕。なおこさんと僕も一緒です(笑)

テンプル ──

私がジュリアンでもあるということは、私に“宇宙存在”がコンタクトを取って来る可能性もありますね。宇宙存在さん、待ってますよー(笑)。心理学者の河合隼雄さんは、何かの対談で『他と自分を区別しなくなると、花を見ても「あんた、花やってまんの。わたし、河合やってますねん」という思いが沸いてくる』と言われていました。今は分離から統合へと意識が移行していると言われていますが、そんな意識になっていくと差別も戦争もなくなっていきますよね。

ところで、ジュリアンがフランスやアメリカではなく、日本でワンネス体験を広めることにした理由というのは? 『日本は特別な国』という表現は好きではないけれど、令和という元号の変換のタイミングでこの本が出版されたということもあって、何か“宇宙存在”が日本に託しているものがあるのかなと。

ジュリアン ──

フランスでは日本ほどスピリチュアルに対する受け皿がないんですね。フランス人は個を際立たせて相手に自分の意見を伝えるという文化に育っているので、論理的な思考を優先している人が多いんです。でも、ワンネス体験は論理的な言葉では語りつくせない部分が多い。だから、“宇宙存在”は、見えない世界に寛容で比較的精神性の高い日本で活動することを決めたのかもしれません。

実際、僕も2009年、2017年と、彼らからの要請を受けて講演会を開催し、さらに今年になって本を出版しているわけですから。日本は世界的に見てもまだ宇宙とエネルギー的に繋がっている場所なので、そのエネルギーの繋がりを通して活動しているようですね。それが地球のためか人間のためなのかは、はっきりとは分かりませんが。   ジュリアン東京講演会2019.5.19   ジュリアン東京講演会2019.5.19-2   

テンプル ──

講演会では、音楽を聴きながら瞑想をする時間がありましたが、時々“宇宙存在”が参加者を観察していたと言っていましたよね。人間がどうやって意識を違うステージにシフトさせるのかを見ていたと。