入江富美子氏のタイトル

Interview

入江 ──

とても分かりやすいですし、納得です。本人は、それが事実だと思っているし、その思考を頭の中でエンドレスのテープのように繰り返して強化していくんだと思います。見方を変えれば、もっと大きなシナリオがあったのかもしれません。物事をどう捉えることができるかというのもへそに書き込まれたデータに関係あると思っています。同じ姉妹でも、捉え方が違うのは、それぞれ違うみたまですし、学びが違うからです。

テンプル ──

ふーちゃんが教えているのは、How toなんだけど、How toでもない。教えてもらったことをやっていたら初級から中級、上級者になるというものでもない。ケイシーの説く「Lose self in HIM(神のうちに自己を失う)」や「祝福の水路になる」と同じく、日々続ける「行」のようなものでもあり、瞬間に会得するものでもあり。簡単に言うと、自分の在り方そのものが根底から変わる生き方レッスンと言えるでしょうか。

入江 ──

「Lose self in HIM」まさにそれが理想です。みたまで生きると、頭では理解できないゾーンまで変化が起きることがありがたいと感じています。これは「すること」を実践していると、いつのまにか「起こっている」に切り替わっているような感覚です。その変化が「起こる」自分を作っていく。「する」から入って「起こる体」を作るという感じです。

例えば、以前の私は、頭ではトラウマだということを理解しているし、自分を受け入れようともしていました。それでも不安は消えず苦しい。私の遺伝子は傷ついてしまっていて、もう回復しないんじゃないかと何度も思いました。でも「みたま」はそんなものを凌駕してくれました。もともと、天そのものであるみたまが、すべてのものを生み出したのですからね。先祖代々のもの、現在、過去、未来のものも含めて、全てきれいにできるのがみたまだと聞かせてもらったのですが、本当にそうだ!と驚いています。生徒さんも「急に不安がなくなりました。大丈夫が湧いてくるんです。何故かわかりません」という感じです。だからそれを起こしたのが「みたま」だと誰も思わないし、へそ道をやって変わった!という自覚がしにくいことが多いんです。私は「それがみたまなんです」と伝えていますが、本当に説明できない世界なんです(笑)。

入江さんの講義中の姿。ホワイトボードに「たましい」の文字。

テンプル ──

『へそ道®』から『セレブレーション』というネーミングに変わりましたが、単に呼び方が変わっただけじゃなく、ふーちゃん自身が進化していることもあり、話す内容は同じでも、以前とは違った領域の話になっている印象があります。自分ではどう感じていますか?

入江 ──

『へそ道®』という名前を、私は今も大好きで今も言っちゃうし『へそ道®』って戻そうかと思うくらいです。「道」の文字に自分の力で変化するニュアンスがあるのが気になって変えましたが、この道を歩むのは大事なことなんです。自分が『へそ』で歩んで分かったことは、その力と同じだけ、向こうからも力が働いている、ということなんです。一方的じゃなく向こうからも祝福を頂いていることが分かりました。天が働いてこそ、というのが大事なんです。

みたまで生きたら、本当に身体の毛穴という毛穴から喜びが溢れてくるんですよ。別に『へそ道®』や『セレブレーション』を知らなくても、毛穴から喜びと感謝が溢れるような人もおられます。さらに、それがみたまなんだと知ったら、格段と喜びの質や雰囲気が変わります。昔の私のように全く感謝ができないような方にも、その喜びのプロセスを伝えられる自信があるんですよ。私自身が感謝は知っているけど、腹からは喜べないでいましたから(笑)

みたまが働きになったことが、お祝い/セレブレーションなんです。天から恩恵が来て初めて天との関係ができる。こちらも天に祝福をする。そんな天との関係性ができることがお祝い。だから『セレブレーション』なんです。

テンプル ──

みたまが働くって、例えば、どんなことですか?

入江 ──

まず「感謝しています」「喜んでいます」「幸せに生きています」というところから始まるのですが、そこから、いざというときに、何が飛び出すかなんです。心や頭の世界をいくら整えても、理解はしていてもどうしても許せない人がいたり、平和を望んでいても瞬間的に思わず手が出たりってことがあると思うんです。それは理解の世界だから。だけど、絶対許せるはずがない!と心や頭では思っているのに「申し訳ない」「ごめんなさい」「ありがとう」って、思いがけないぬくみのある思いが、内側から上がってきて、自分でも驚く。責めたり裁いたりするのではなく、許しやいたわりが湧いてくる。それがみたまの世界です。

テンプル ──

そんな自分になるために『セレブレーション』の講座では具体的に何をしているんですか?

入江 ──

まず、頭と心を理解して、修める方法を学びます。みたまが働く自分になるための模擬練習をしています(笑)。井戸からお水を組み上げたくても井戸が枯れている時は誘い水が必要です。井戸の奥に自分の本音があるんですが、日々のコツコツした誘い水で、ある日、本当のきれいな水が湧いてきてびっくり仰天する。

テニスに喩えると、どんな玉が飛んできても打ち返せるように日頃の素振りが必要です。それと同じように、日常でみたまに似せた思い方を素振りようにしていくんです。その練習をしていると、急に飛んできた玉をみたまが打ち返している。そんなふうに、ある時、みたまが働いてくれる体験をしていきます。この、ありがたーいものが湧く感覚をみんなに経験してほしいと思っています。

これを感じた人は「こんな世界知らなかったー」と感動して、とろけるように喜びで溢れられます。そんな分かりにくいけれど、ありがいことをさせてもらっています。

テンプル ──

そんな、とろけるような喜び、私もいつか感じてみたいですー。

入江 ──

ほんと、至福なので体験してほしい!以前の私は、毎朝、恐怖で目が覚めて、この苦しみは一生癒えないと思っていたし、ほんとしんどかったんですよ。でも、師匠の中山靖雄先生 や、みどり奥様に相談したら「みたまで生きたら跡形もなく綺麗になるよ」って言われて。でも、当時の私は「そんな日がくるわけがない」「喜べる日なんてくるはずがない」と心から思っていました。それでもみたまで生きること、ここに真実があると思って諦めませんでした。そしたら、本当にあの苦しみが跡形もなく消えたんですよ。そればかりか、感謝にすら変わった。お詫びも感謝もお礼も湧いてくるんです。自分のこれまでやってきたことを見させられ、お詫びできる喜びと、やりなおせるうれしさが溢れ、泣きながらの至福も経験しました。

  • 中山靖雄先生:修養団・元伊勢道場長。社会教育活動を実践する修養団(しゅうようだん)伊勢青少年研修センター(伊勢市宇治今在家町)で49年間、道場長や常務理事などを歴任した。