入江富美子氏のタイトル

Interview

テンプル ──

兄が物質的な父親の言葉に生きる意味を失い、何度も自殺を考え、19歳のときにケイシーの「転生の秘密」の本によって魂が救われたという話は、兄が講演会でよくしていますが、ふーちゃんも、生きる意味と理由を求めて、精神的などん底を踏んだからこそ、上に浮上できたんだと思うんですよね。

入江 ──

でも、菜央子さん自身もテンプルを始めた頃、お金がなくて、もやししか食べられなかった時がありましたよね。そう思うと、菜央子さんも大逆転ですよね。

テンプル ──

あれは物質的なことだし、お金がないのは全然気にならなかった。お金は本当になかったけど、精神的などん底を味わったわけではないですし。 私は兄と同じく、物質的な父から同じ話を聞かされて育ったけど、私は父と仲が良かったから、父と競争のように新聞や本を読んでいて、父の晩酌にも付き合って、よく話していました。だから、父に意見の合わないことを言われても「この発言はあの記事の受け売りだな」と分かるし「父にも知らないことがある」「父がいつも正しいわけじゃない」と知っていたから、右耳から左耳にスルー(笑)。気にならない。ある意味、適当に父の言葉を聞いてた(笑)。 

20周年の記念写真

入江 ──

そう思えたことが、菜央子さんの徳ですね。ただ、幸せな時は「真実は知りたいけど、無くても生きられる」ってなることが多いですよね。でも、私やお兄さんは、真実なしでは生きられなかった。溺れて顔を水に沈められ息ができなくてもがいて、必死で空気を求めるように、私には真実が必要だったんです。

テンプル ──

どん底にいる人は、蜘蛛の糸にでも、すがりついて引き上げられるじゃないですか。でも、どん底にいなければ、蜘蛛の糸が下がってきても、この蜘蛛の糸じゃなくて、もっと丈夫そうなのがいいとか、自分にあう方法が別にあるはずとか言って、結局ずっと同じところにいる(笑)。

入江 ──

それ、わかります。それ、余裕がある場合におこりますよね(笑)。またこれは、満足すると誰しも起こる傾向なんですよ。 

自分が必死で求めて得た時は、これを求めている人がいるはず!絶対幸せになる道!と思えて、純度高く必死で伝えていました。でも、どんどんみたまを知ることができて、幸せになったでしょ。そうして、自分が満たされてきたら、あれ?本当に求めている人っているのかなぁとか、わからなくなる時があるんですよ。みんなに、みたまって必要なのかな?みたいな。 

自分は一生深めていくけれど、自分のことだけやっていたらいいのかなと思ったり。そんな迷いの気持ちを持ちながら『へそ道®︎』がうまくいってるからと続けるのは、失礼だし純度が違う。それならば『へそ道®︎』を全部止めようと思った事が何度かあるんですよ。未練なく。でも、全部やめる!と決めると、その度に「へそ」から、ぴょーんと純度100%のエネルギーで「へそ道―――!」って上がってくる。その度に、やっぱり私はこれなんだーって、新たな気持ちで再起動し今まで続けてきたって感じですね。

テンプル ──

100人に伝えて、たとえ、伝わった人が2人か3人だったとしても、魂が乾いて乾いてどうしようもない、生きる道を無くした人が救われたのなら、その人にとってみれば本当に『セレブレーション』だし、最後に掴んだ蜘蛛の糸だったのかもしれない。

入江 ──

いろいろ自分で食べてみて、全部食べ尽くし満たされているのに、なにか他にあるはず、と求めている時はみたまが湧くのは早い。だから、これまで目標は全て達成した、大成功もした、幸せだし、行動もしてきた、だけど何かが足りないと感じている人、または、もっと人と幸せになりたいと思っている人ほど、みたまを掴んだ瞬間、これだ!って早く気づかれると思います。早く永遠なる至福の道に入られる気がしますね。今の時代、軽やかに楽しみながら喜びに中でみたまを知って生きてほしいですね。

テンプル ──

ケイシーは、私たちの魂は、地球で一時的に借りたはずの肉体にすっかりはまり込んで、肉体が自分だって思い込み、霊的にはいわば昏睡状態にあると述べているんです。私たちって、これが私って思って生きていますが、実は、崇高な霊的な自己、宇宙から地球に飛来してきた時に持っていた神性な働きはずっと肉体の中で昏睡状態(笑)。結果、目覚めぬままに多くの人は生涯を終えてしまう・・・。 

テンプルはケイシー流の健康法をお伝えする会社ですが、面白いことに、ケイシー講座を開催すると、健康をテーマにしたセミナーより、霊的な内容のセミナーの方に人が集まるんです。健康に興味があるからテンプルにご縁が出来たはずなのにそっちより霊的成長の内容を皆さんは求めている。もしかしたら、表面的には満たされているけど内的には満たされていない、霊的な乾きを感じている人が多いからなのかも、と思ったりします。 

今は、物質的に豊かになって、ほとんどの人は、そこそこ仕事があり、そこそこお金があり、そこそこ毎日楽しく暮らしていますよね。だから、仕事も忙しいし、習い事や遊びで毎日充実している。だけど、心の中では「なんかツマラナイ」って思っている。私の周りにはいわゆる「スピ系」と呼ばれる人も多いけど、モノは十分持っているから、残るは「悟りだ」「霊的な目覚めだ」っていう人も多いです。霊的な眠りから醒めたい。ふーちゃんの言葉でいうと「みたまで生きたい」と願う人が増えたのは、もしかしたら、人類全体の集合無意識的な目覚めの時期に入っているのかもしれないと思ったりします。

入江 ──

そういう方が増えているんですか?それは最高な時代じゃないですか。今、求めている方たちには『エドガーケイシー』と『へそ道®︎/セレブレーション』がありますから(笑)。自分で自分の魂を満たすとか、自分だけで埋めるのは有限だし限界があります。その限界を多くの人が感じているというのは、いい時代なんだと思うんですよね。 

物質的にモノがない時代って、モノで満たされたら幸せになれるという希望で生きられた。そして、満たしきる手前で死ぬ人も多かったと思います。でも今は、物質的には満たされているからこそ、それまで見えなかった、欠けているピースが見えてくると思うんですよね。私の場合、足らないピースがあるのは知っているけど、それがどこにあるか、何なのかが分からなかった。どう質問したらいいのかも分からなかったから。 

どこかにあるはず。でも分からない。そうやって5歳の時からずっともがいてきました。だから、2005年の大晦日は本当に宇宙の秘密を知ったぐらいに衝撃でした。それからは、ずっとみぞおちのあたりがうれしくてスキップしている感じかな(笑)。

テンプル ──

ふーちゃんが「みたまが本体だったんだー」って、本当に本当に、自分の中で腹に落ちたのはどの瞬間なんですか?

入江 ──

当時はみたまと言う言葉は知りませんでした。でも、どかーん!と感謝が湧き上がったときに、自分の中に全部あって、これからは知りたいことは全部わかるって思ったんです。このときの感覚が今もわたしを導いてくれています。