入江富美子氏のタイトル

Interview

入江 ──

先生に、少しでも手が痺れたり体調が悪くなったら救急車呼んでください、って言われていました。こんな私でも、自宅に戻ってからちょっと手が痺れると、やっぱり「悪化したのかも」「死ぬのかも」って思う時があったんですね・・・。自分で易をたててみたら「四面楚歌」とか「抜け道がない」っていう最悪のものしか出てこない。何回やっても同じような卦ばっかりで、私はやっぱり死ぬ運命にあるのかもと気持ちが少し落ちた時があったんです。

そしたら、また自分の中から「何を、信じてるんだ、それは外側のものだ」と、湧いてきて。あー、私は外側のもので自分の結果を決めていた。私は「みたまが本体」なんだから、私に起こることはみんな良いこと。死んだら死んだ事が良い事、助かるんだったら助かることが良いこと。すべては自分の思い方だから、今を喜ぼうと思いました。だったら、現実はどうであれ、この痛みもフラつきも、全部佳き方に向かうプロセスだと思って、ただ喜ぼうと思った瞬間、またブワーって「へそミスト」に包まれて、中心に戻れたんですね。

テンプル ──

人間にとって最大の恐怖は死ですよね。死ぬこと自体は恐くなくても、死の過程に不安や恐怖を感じたり。人間最大の恐怖を克服しているのがすごい。でも、子ども達はまだ高校生だったから、もっと生きたいって思わなかったんですか?

入江 ──

私がみたまで生きて、それで死ぬんだったら「今、死ぬことが良いから死ぬんだ」っていうのが前提にあったから。本当は死なないハズなのに死ぬという意識はなく、私がこのタイミングで死ぬなら、それは子ども達にも良いはずだし、子どもたちも守られているって思えてるので。みたまで生きていたら、全員大きな力に守られていると思えるんです。

テンプル ──

「みたまで生きる」ことの凄みを感じますよね、今のエピソードは。

入江 ──

でも振り返ると、娘は昔から私に「高校卒業するまでは生きててよ」とよく言っていたんです。わたしは笑って「普通は孫を見るまで生きてて」とかじゃないの?って答えてました。当時娘は高校3年生。実はあのタイミングで、3人の霊能力のある人から「気をつけて」と言われてて。一人は、私の顔を見て「だめだ。ふーちゃんが死んだら魂に目覚めたい人が困るから死んだらだめだよ」って目の前で泣かれたんです。そして、その3日後くらいに整体に行ったので、見える人は見えていたんですねー。だから、本当は死んでいたのかもしれません。

テンプル ──

この地球に踏みとどまってもらえてありがとうの感謝しかないですね。あの時死ぬ運命にあったなんて、あまりに途中すぎる。なんたって、本番はこれからなんですから。

入江 ──

実は、この死から復活の2年後、天の深い愛を知ったんです。大学生になった娘が、ある雑誌でインタビューを受けたのを読んだんです。その記事にはこんなことが書いてありました。

私が入院することになった当時、娘は人間関係で深く悩んでいて、私達夫婦が寝静まると、毎夜ベランダに立ち、死んでしまいたいと思っていたというのです。そんな時に私が命に関わる怪我をしたんですが、病院に行く前に、私が娘に「幸せか?」って聞いたんだそうです。それに対して娘は「幸せやよ」と答えた。そして私が命に関わると言うことで入院した。娘はその時「ママは私の嘘を信じて死んでしまう。最後にママに嘘をつくのは嫌だ!死のうと思ってる場合じゃない」と急に思いが変わったというのです。そして、娘は長い間悩んでいた人間関係を必死で解決して、そのことで自信を取り戻し、元気になって、もう一度自分のことを好きになれて、もう死のうなんて思わなくなったそうなんです。

これって、すごくないですか? 私はその記事を読んで、今までわからなかったけれど、なぜあんな怪我をしたのかということが分かったように思いました。あの命に関わる怪我と入院がなければ、娘を失っていたかもしれません。

宇宙やご先祖さまは、人間にはできないあらゆる方法で、今の最善の現実を生み出せるようにしてくれたのだと思いました。ご先祖さまや全てに感謝して、本当に死にかけてよかったと思いました。後から分かるのが天の働きです。だからこそ、悪く思えることも喜んでいればいいんです。私はこのことを思い出すだけでも一生感謝して生きられるんです。

テンプル ──

今のお二人の活躍を知っているだけに、良かった~と心から思います。神様は、2人ともが生き残る道を用意して下さっていたんですね。

入江 ──

天の采配ほどありがたいものはありません。このお話にはもう一つ不思議なことがあって、実は、同じ頃、卦を見られる方から「あなた、2年前に頭のことで死んでいるって出ていますよ。命が更新されたんですね。遺伝子も個人的に生きる遺伝子から社会的遺伝子に変わっています」と言われたんです。当時、自分で出した卦も最悪でしたが、私に短命の卦があったのも消えていると言われました。

それにしても、人間の力ではどうしようもないことを、想像もしない方法で、天が救ってくれることって昔からありますよね。紙一重で命が助かったとか。天は私達に絶対に悪いことするわけがないと、信じて生きることがどれだけ大切か。その確信がこの経験によってさらに深まりました。

テンプル ──

ふーちゃんの話を聞いてると、2005年以降、経験とともにふーちゃん自身が大きく変わってきたように感じますが、2005年以前の古いお友達は、今のふーちゃんをみて全然違うって言われています?それとも、昔からそうだったよねって感じです?

入江 ──

一番そばにいる夫が、「お前、よかったなぁ。」と言ってくれます(笑)。私と主人とは中学からの同級生なんです。主人に「中学の時、私の心の中は闇で、生きるのが本当に辛かった~」って言ったことがあるんです。そしたら「お前は楽しそうやった」「お前の周りにはいつも楽しい気配で包まれてた」って言われて。うそーーーーー!って叫びました(笑)。でももしかしたら、夫が見てくれていたのは、万能感いっぱいの昔の私のみたまを見てくれていたのかもと思うんです。夫は、私の心の闇のその奥の本質を見てくれていたんですね。でも、私自身は自分のトラウマばっかりを見て、みたまが持っている素敵なものは封印し、無いことにして一切見てこなかったんですね。

船の上でで浴衣姿で立つ入江さん