しばた くみこ
なごみの里 http://nagominosato.org
今回はおそらく日本、いや、世界で初めて“看取り士”という職業を始められ、現在は岡山を拠点に、看取り士さんの養成や講演などでもご活躍中の柴田久美子さんにお話を伺います。 先に少し説明をさせていただきますと、“看取り士”というのは、医療や介護サービス、そしてエンゼルチーム※1と連携しながら終末期にある方々に寄り添い、ご本人の希望する場所で旅立ちを支援するためのスペシャリストのこと。とくに臨終の際には旅立つ方の手を握り、体をさすって、最期は抱きしめて見送ります。 そうした生から死へと移行していくプロセスのなかで、あちらの世界に旅立とうとしている方々は安心して旅立つことができ、いっぽう見送る人は旅立つ方々からエネルギーを受け取り、魂を磨くことができるということ。柴田さんは、そんな、まさに旅立つ人も看取る人も幸せを感じられるような最期の時をプロデュースされています。
ありがとうございます。菜央子さんには以前、うちの看取り学講座※2にも7日間の内観※3にもご参加いただいていて、私の言いたいことをよく理解してくださっているように思います。ということで今日は、私がとにかく今できるだけ多くの人にお伝えしたいことについて、いきなり核心部分から話し始めてしまってもいいですか?
えっ!? 何でしょう。
これはもうずいぶん長い間、講演や書籍などで言い続けていて、なかなか皆さんに伝わらないことなんですけれども……。人間というのは赤ちゃんの時にプラスのエネルギーをまとう存在=光として生まれてくるのですが、成長して年をとっていくに従いマイナスのエネルギーを重ね、やがて死を迎えます。その際に積み重ねたマイナスのエネルギーを全て浄化し、誕生の時と同じように再びプラスのエネルギーをまとう存在=光へと転じた後、その愛の光を愛する人々に受け渡して天に還っていくんです。
そうして亡くなる人の愛の光を受け継いだ人は、それによって自分の魂を膨らませ、進化向上していくことができるんですね。私たちはこの命のバトンリレーをするために生まれてきたと言っても過言ではありません。ですから、皆さんには死にいく人の看取りをネガティブなイメージではなく、魂の進化向上の機会だととらえていただきたい。そして、是非ご家族や近しい方などを看取る際にはしっかりと抱きしめたり触れたりして、“魂のエネルギー=光”を旅立つ方から受け取っていただきたいのです。と、もう結論を言ってしまいました(笑)。