入江富美子氏のタイトル

Interview

テンプル ──

過去を癒やす、トラウマを癒やす系のワークショップだと、辛かった過去を思い出してそれを認めて、なんとかをして・・・みたいなプロセスをやったりしますが、そういったワークをしなくても、みたまで生きることの模擬練習をしていたら、ある瞬間、そんな過去の痛みや苦しみがいっさいがっさい跡形もなく消えていることに気がつくって感じでしょうか?

入江 ──

人によってはそんなに簡単じゃない場合もあります。でも、過去の出来事の被害者になるのではなく、自分の魂の経験だと認めて「徳」にひっくり返すことができるのがすごいことなんです。かならず良い方向にいく。だって、それらすべてを生み出したみたまが働きだすんですよ。その人がその気になれば必ずみたまは応えてくれると私は知っています。この私が、喜びと感謝で溢れているなんて、お陰様としか言えません。これを恩送りしていきたいと思っています。

テンプル ──

今生きるのが苦しくて暗闇の中にいるように感じている人も『セレブレーション』が伝えていることを地道に実践していたら、いつかは青空の下に出ていける確信があるんですね。

入江 ──

もちろんです。自分ではどうしようも出来ないことを、なんとでも出来るのがみたまですから。なんとでも出来るといっても、状況が変わる場合もあれば、何も変わらないのに、幸せになるという感じです。外側からの影響で生きるのではなくなります。

「自分なんか、生まれてこなければよかった」思っている人もおられるかもしれません。そういう人は年数かけてじっくり取り組めばいいんです。大丈夫。ただ「みたま」で生きるという決心は必要です。分かりにくく見えない世界ですから。「私なんて」と思っている人や心がつらい人ほど、みたまが開いている人だと聞かせてもらっています。みたまの純粋で素直で明るい性質が内側にはあるのに、そう生きることができないギャップに苦しんでいる方も多いです。世の中の価値観に合わせようとして苦しいんです。でも、全ては自分です。自分の思い次第で必ずみたまで生きられます。究極の成功を感じることが出来ると私は思います。

テンプル ──

「みたまの働き」で思い出したのは、ふーちゃん、数年前、リアルに死にかけたことがありましたよね。医師の診断はとてもシビアだったのに、当の本人は「大丈夫」が湧いてきて、入院中もリゾート気分で過ごしていたという・・・・。あのエピソードを話していただけますか?

入江 ──

あるとき、マッサージ店に行きました。そこで、信じられないくらいの強さで首を曲げたりマッサージをされて「痛い、痛い」と叫んでいるのに、首をちぎれそうになるくらい引っ張られて。翌日から頭が激痛で。病院に行ったら脳の血管が裂けて、大きな動脈瘤になっていました。「命に関わります」とその場で言われ、破裂しかけているからと緊急入院になりました。私の人生ドラマにそういうシナリオはないと思ったので、きっと間違いだわと思いました。入院のために主人と日本で一番有名な脳外科に行ったんです。副院長先生に診てもらったら「一分後に死ぬかもしれません。命に関わる状態です」と言われて、その瞬間、夫と「えぇー!」となって。

その瞬間、夫と涙目になりました。そして、そのマッサージ師さんへの恨みとか、死ぬことへの後悔とか、周りの人への感謝とか悲しみとか、ここで死ぬ悔しさとかいろんな感情が湧き上がってくるんだろうと思っていたのに、その瞬間「へそ」から「大丈夫~!」って、きめ細かいミストみたいなシャワーが私を包み込んで、一切不安にさせないんですよ。頭は激痛にも関わらず。 ちょっとでも頭を動かすと痛い。その状態で16日間入院しました。脳の大動脈に動脈瘤が1cmぐらい出来てて、7mm以上は手術が必要だと言われていたのですが、大きくならないように経過観察。大きくなって破裂したら一分後に死ぬかもしれない。2日に1回、MRI検査をするのですが、ある意味、それって死刑宣告のような検査じゃないですか。でも毎回、一切、不安が湧かなかったんです。MRIの機械の中でさえ、平安。それが自分でも本当に不思議で。普通、不安や心配、恐怖を感じると思うんです。でも、そんな感情が全然湧いてこなくて幸せに過ごせるんです。ほんとありがたかったです。これを「救われる」って言うんだ、と思いました。

もしかして、痛みや死の恐怖で自分の気持ちが麻痺したり、気持ちを捏造しているのかもと、自分の感情に疑いを持ちました。その当時の私は、もう、何でも自由に感じることができていたし、何を感じても責めない自分になっていました。なので自分に「ほんとに辛くない?」「本当は悲しいんじゃない?」「泣きたいんじゃない?」「悲しんでいいよ」って何度も何度も確かめたのに、その度にへそから「絶対、大丈夫~」って喜びと感謝のキラキラしたものが湧き上がってくるんです。みたまで生きて起こることなんだから通るしかないし、どうせ通るなら喜んで通ろうということは思っていました。でも、実際、死を前にして、こんな最悪な時でさえ、こんな喜びの中で過ごせるんだーって自分でも驚いたんですね。

ある時、気がつきました。この現世を「みたまが本体」として生きようとしている私が死んだら、本当の「みたまの世界」に帰るだけのこと。今、こんな痛みと状況の中で幸せなんだったら、死んでみたまの世界に行ったら、今よりもっと幸せなところにいける!と気づいて。今以上にラグジュアリーでゴージャスなスイートルームのようなところにいけるなら、死ぬのも楽しみ〜ってなったんです(笑)。

入江さんがウニと建物を背景に立っている

そして、万が一、治って退院できたら、また「へそ道が出来る~」と思えて、それってどっちも極楽やんーって幸せになったんです。死んでも極楽、生きても極楽。そのおかげで、私の入院生活16日間は、痛みがあるにも関わらず、クルーズ船のスイートルームで過ごしているかのようにリゾート気分の入院生活だったんです。

結局16日間、安静だけで何もせず手術をしたかのように治ってる、と言われて退院できました。でも、その後1年間は1ヶ月に1度、検査しての経過観察でした。退院しても、フラフラするし、ちゃんと歩けなかったです。