尾竹 一男さんのタイトル

Interview

ルーシャ ──

ある獣医師の話をします。クリニックに連れて来られた犬に肝臓の問題があったとき、その獣医師は飼い主に「何か抑え込んでいる怒りがありますか?」「肝臓に問題はないですか?」といったことを聞くそうです。するとだいたい飼い主は「イエス」と答えるそうです。あるジャーマン・シェパートがいました。彼は背骨に問題を抱えており手術を受けました。私は飼い主に「あなたの背骨はどうですか?」と聞きました。するとその飼い主は「どうして僕が2年前にサッカーで背中を痛めたのを知っているんですか?でも、犬が背中の手術を受けたあと、僕の背中の痛みも無くなったんですよ」と言いました。

ミラーリングは、飼っている動物の行動面に現れることもありますし、身体面に現れることがあります。飼い主に身体的な問題があったとき、動物たちは、まるでスポンジのようにその病気の周波数を吸いこみ、その症状を彼らの身体を通して具現化することがあります。 

テンプル ──

ルーシャさんがWEBに公開されている動画で、南アフリカのホワイトライオンの施設を訪問している映像を拝見しました。アフリカでは楽しみのために世界中の富裕層の人たちがお金を出して野生動物をハンティングしています。その獲物にするためにライオンを育て、檻の中にいる彼らを至近距離から撃って殺しているという事実に私は打ちのめされました。密猟も横行しており、牙を取るためにたくさんのサイや象たちも殺されています。そういう現実があることが居たたまれない思いがします。動物たちは人間をどう思っているのか、どうやったら私たち人間は動物たちに償いができるのかと愕然とする思いです。野生動物とも親しくされているルーシャさんは、この享楽やお金目当ての狩猟をどうお考えでしょうか。

ルーシャ ──

まず大事なことは、動物界の声に再び耳を傾けて、その叡智を分かち合ってもらうことです。 この地球上では動物たちが様々な脅威にさらされています。たとえば、人間のエゴと享楽のために動物を育て、狩りをするという行為(キャンド・ハンティング)が行なわれています。動物たちを囲むフェンスを作って育て、その中で狩りをするのです。でもそれは不自然な行為です。マレーシアの深い森に住んでいる人たちがいます。私はその森で暮らしたことがあります。彼らやカナダの先住民からたくさんのことを教わりました。彼らが言うには、自分たちが食料として動物の肉を必要とする時、あるいは果実や植物を必要とする時には、動植物にまず許可をもらうのだそうです。そうすると、動物や植物は自らの体を私たちに差し出してくれる、と言っていました。それはお互いに交わされた同意なんです。動植物のスピリットたちが自分たちの体を人間に捧げることに同意しているのです。でも私たち人間はそのことを忘れてしまいました。これは大きなテーマです。 

ベジタリアンやビーガンの方も、本来であれば、果物が木から落ちるのを待って、地面に落ちたものを食べるのが自然なんです。でも今は、フルーツをまだ緑色の熟してない状態でもぎ取って、棚に並べて追熟させています。フルーツが枝で熟すのを待っていたら、木が本来持っている聖なるエネルギーや栄養をそのフルーツに伝えていきます。でもそれが為されないまま、人間の都合でもぎ取られています。リンキング・アウェアネスのクラスでは、自然の中に入って静かに座り、自然の声を聞いて、自然界から今世界で起きていることへの解決策や叡智を受け取る、ということをしています。

テンプル ──

うーむ。壮大なテーマなので、ルーシャさんのお話はすぐには消化できそうもありません。残念ながら、日本も同じようなテーマがあります。日本には捕鯨の文化があり、イルカ漁をしている地域もあります。それが、世界中で批判の的となっていますが、ルーシャさんは、日本の捕鯨やイルカ漁をどう感じていらっしゃいますか。

ルーシャ ──

イルカについては、私が体験したあるストーリーをご紹介します。日本には過去、何度か来日していますが、『コーブ』という映画が上映されていた年がありました。私はその時は、まだその映画を見ていませんでしたが、和歌山の太地町はイルカと関わりのある文化を持っていると聞きました。そして、欧米の人たちから日本に行くなら太地町に行って、痛ましいあのイルカたちを救ってあげて、と言われたんです。私のエゴは言いました。「イルカに会いに行って、イルカを助けよう」って。日本に着いたら、太地町に行くにはとても遠いことが分かったので、ワークショップの参加者33名と遠隔で太地町のイルカたちと繋がるセッションをしました。私のエゴは、その可哀そうなイルカたちを助けるんだと思っていました。 

変性意識に入って、太地町にいるイルカと繋がりました。そこで見せられたものに、私は大きなショックを受けました。イルカがこう言ったんです。私たちはイルカではなく、シリウスとプレアデスの存在なんだ。イルカの体を持っているけれども、これからどこに行くか分かっていると。彼らはイルカの体を解放した後で、大気圏に入り、広島と長崎が受けた原爆のダメージを修復するんだと言ったんです。これだけの情報が強く、そして明確にやってきたということは、それが真実に違いないと思いました。 

私が森林に入って様々なワークをすると、動物たちが集まってきます。その動物たちは、それぞれが興味深い方法で何かに同意しているという気がしました。それで私は思いました。もしかしたら、太地町の先祖とイルカとの間には何らかの同意があり、それが文化として残っているんじゃないかと。これは私自身の考えで、正しい答えだとは思っていません。私の中でもまだ疑問のままです。でも、このような強力な方法で情報に繋がったということは、驚くべき背景がそこにあるに違いないと思いました。 

人間は肉体を持つ人生にあまりにも執着していますが、スピリットにはそのような執着はありません。数年後、私は実際に太地町に行って、その入り江に滞在しました。驚いたことに、そこでは低いエネルギーをまったく感じませんでした。反対にとても神聖なエネルギーを感じました。実際に現地に行くことが出来て本当に良かったと思います。そこで行われていることに私が同意するか否かに関わらず、そこはとても神聖な場所だった、ということはお伝えしておきます。

テンプル ──

ルーシャさんがイルカから受け取ったメッセージを咀嚼するのも、しばらく時間がかかりそうです。さて、ルーシャさんは、カナダのとても自然豊かな場所で暮らされていますよね。 その大自然から離れて、人口過密で自然の少ない東京に度々来られるのは、何か理由があるのかなと思ったんですが、来日に関して、何か特別なコミットメントでもあるのでしょうか?

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ルーシャ ──

私は過去生で日本の神道に関わっていたと感じています。説明がとても難しいのですが、日本文化は、自然に対して深い感謝と敬意の念を持っていると思います。動物や自然と繋がっている時、私はその場所を記憶しておきます。すると、都会にいても、その自然の記憶をリソースとして使うことができます。すると、日本の大都会の中でも、その感覚を思い出して感じることができます。以前、こんな話を聞いたことがあります。その話は、日本の人々が再び本来の霊的でエソテリックなエネルギーと繋がって、かつて私たちが持っていたワンネスの感覚を思い出すことが出来れば、集合的に世界の意識を変えることができる、という内容でした。私はそれを可能だと思いました。 

私はクンダリーニやハートの道を生きています。富士山の麓に行った時に、龍と出会ったことがあります。それは人生の中でも、最も強烈な体験のひとつでした。龍というのは母なる地球のクンダリーニエネルギーと関係しています。富士山はガイアのクラウンチャクラに相当します。富士山の麓にある洞窟の中で龍の尾を見たんですが、それは私の人生を大きく変える体験でした。私はいくつものセミナーを日本で行ってきましたが、日本の方々が本来の直感力を思い出すのは自然な流れじゃないかなと思っています。直観力が閉じているのではなく、ただ忘れているだけなんです。それを思い出す手助けを互いがしているのです。

テンプル ──

残念ながら、コロナの影響でしばらくはルーシャさんの来日が叶いませんでした。最後に、ルーシャさんがされている3日間、4日間のワークショップについてお話いただけますか?

ルーシャ ──

ちょうど、リンキング・アウェアネス・ジャーニーのテイスターという、3日間のワークショップの紹介ビデオを撮り終えたところです。これは2時間のミニコースで、皆さんにワークショップの内容を紹介し、私が来日する前に準備を整えていただける内容になっています。日本には、私のコースを受けてファシリテーターとなった荒木裕子さんという女性がいます。私が来日できない間は、彼女にファシリテートしてもらえるんじゃないかなとワクワクしています。日本に行けるようになったら、私は上級コースを教えたいと思っています。このテイスターの動画は、オンラインで視聴していただけます。でも一番重要なのは、やはり皆さんと一堂に会し、その教えを心と身体で感じ、体現してもらうことです。ジャーニーを受けられた方は、マレーシアで行われるリンキング・アウェアネス・ジャーニー・プラクティカルというクラスに参加して、マレーシアで実際に象たちと触れ合ったり、ワークすることができます。

テンプル ──

今回のセッションでは、ルーシャさんと魂のご縁を感じたクライアントさんが何人かいらっしゃいました。1日も早く、安心して海外に渡航し、またルーシャさんが来日して、皆さんと直接、触れ合えるような日が来ますようにと願っています。

今日は素晴らしいお話をありがとうございました。

インタビュー、構成:光田菜央子 通訳:埴原由美

*リンキング・アウェアネスの活動動画 リンク
*ボディトーク リンク