森 美智代さんのタイトル 

Interview

テンプル ──

職場や人とのつきあいで相手に合わせてしまう、ということもありますね。職場で毎日、3時になるとおやつが回ってくるとか、夜に同僚や取引先との食事があって自分だけ「野菜だけの料理にしてください」と言えないとか。いろんな場面でNOが言えない。

森 ──

人間関係に自信がないんだと思います。一緒に食べないと自分とは付き合ってもらえない。そう思ってるんじゃないかと思います。私は何も食べませんが、皆さん私と付き合って下さってますよ。

テンプル ──

砂糖やこの食事を食べないだけであって、あなたを拒否してるわけではないんです、ということが理解していただけるといいんですけどね。

森 ──

私は人の目をあまり気にしないたちかもしれませんね。普通の人は、人の目や気持ちを気にしすぎているのかも。

テンプル ──

私も OL 時代、お弁当を食べ終わった頃に必ずみかんやりんごを出してくる同僚がいて困りました。当時からケイシーの食事を実践していたので「これは3時のおやつに頂きます」と毎回食べずに机にしまっていたら、そのうち「あなたは変わっている」と、食後の果物は「3時にどうぞ」と言って渡してくれるようになりました。職場で「人と違った食事」を続けるのは、周りの理解が必要ですね。

ところで、森先生が生菜食を始めて最終的に青汁1杯になるまでにはかなりの時間がかかったんですか?

森 ──

私は断食をやった後に生菜食を始めたわけですが、甲田式の断食は200カロリーくらいあります。生菜食はお豆腐や生の玄米粉も食べますからトータルで1000カロリーくらいはあります。それだと私の場合、体重が減らなくて少しずつ増えてしまいました。増えたらまた断食をするんですが、そうするとさらに体重が増えやすくなってしまうんです。 一日一食にしようかなぁ、玄米粉をやめてみようかなぁと試行錯誤して少しずつ食べる量を減らしていきました。

テンプル ──

断食をしたり生菜食をしながら、どんどん食べる量が減り、ついには1日青汁1杯50kcal の食生活が始まったわけですが、22年間変わらず同じような青汁ですか? そして飲まれるのは朝です?

森 ──

基本同じで時間は適当です。朝早い時もあるし、夜遅い時もあります。 青汁をつくる森さん

テンプル ──

以前テンプルで森先生の映画と講演をして頂いた時に、参加者の方から「不食にはならないんですか?」と言う質問が出ました。その時、森先生は「不食になろうと思えばなれると思うけど、何も飲まないと甲田療法じゃなくなるので1杯は飲みたいです」と言われていたのが記憶に残ってます。

森 ──

野菜、食べたいんですよね。土をいじるのが好きで野菜も育てたいんです。土をいじるだけではなく、土の上に EM 菌を置くのも好きなんです。その畑で育つ野菜をちょっとだけでも口にしたいんですよ。ジュースを作る野菜の量は減らしてもいいんですが、地球と繋がってる感があっていいなぁと。少しは地球と繋がりを持ちたいんです。 畑の野菜

テンプル ──

不食で有名になった弁護士の秋山先生は水も飲まない不食だそうですが、かと思うと、いきなりつきあいで召し上がることもあるそうで、食べなくても大丈夫、食べても大丈夫、というのに驚きました。

通常、断食は準備と復食にも期間もかけますし、断食前後に食べるものも選びますよね。いきなり普通の食事をすると体調を壊したり最悪死にますよ、と聞いていたので、その常識がぶっ飛びました。大丈夫かどうかは本人の意識の問題です、と言われたこともありますが、森先生は鍼灸師としてどう思われていますか?

森 ──

普通の人は無理だと思います。はせくらみゆきさんや秋山先生は6次元の周波数をお持ちなので、ずっと断食していて突然食事をしたとしても、その食事はきっと6次元に消えてしまっているんじゃないでしょうか。食べ物がテレポーテーションして6次元に行ってるのか、半霊半物質のようになるのかは分かりませんが、体に影響が出ないような形に変換されている気がします。

テンプル ──

常識外の説明ですが、「あり得る」と思ってしまいますねー。

森先生ご自身もこの22年、口にするのは青汁1杯とサプリを少しという感じで、合計しても50kcalしかないそうですが、それでも痩せもせず、というより、適度にふっくらされています。それは腸内細菌が牛並みに変化しているからだそうですが。

森 ──

調べてもらうと、私の腸内細菌は普通の人とはずいぶん違っていました。生物学者で便の研究をされている辨野(べんの)博士によると私の腸内環境は牛みたいになっていたそうで、普通の人の腸には0.1パーセントくらいしかないクロストリジウムという細菌が、私の腸の中には10%近くあったそうです。この菌は食物繊維を分解して腸の中の尿素窒素からアミノ酸をつくる働きがあります。また「ケトン体」も多く、これがエネルギーになっているのかもと言われました。ビフィズス菌も人より多かったんです。

テンプル ──

牛並みと言われてましたが、牛の腸内環境とは違いますよね。

森 ──

牛の腸内にいる菌もあったらしいです。普通の人の腸内では見つからない菌がたくさんいたと聞いています。

テンプル ──

人の腸内には見つからない菌はどこ経由でやってきたんでしょう? 普通の人間の腸では、入ってきても生息不能ですぐに死に絶えてしまうとか? 自然発生? 仮説をたててどなたか検証して欲しいです…。そして森先生の体内では、尿素窒素がリサイクルされてタンパク質が生成されていると。

森 ──

タンパク質は50キロぐらいの体重だと、同じ体重をキープするのに毎日200グラムぐらいのタンパク質を分解されていて、同じ量を再生しないといけないらしいです。タンパク質は分解されると尿素窒素になるんですが、それが血液を巡って最終的には便や尿として外に出て行きます。つまりタンパク質の分解ゴミが尿素窒素というわけです。しかし私の体はその尿素窒素を再利用してまたタンパク質に戻しているようなんですよね。

テンプル ──

50代の女性の基礎代謝は大体1100kcalだそうですが、先生はの摂取量は1日50kcal…。毎日大赤字のカロリーと栄養のはずなのに、22年間健康体だというのは、現代の栄養学からするとあり得ない話ですよね。不足しているはずのカロリーと栄養を身体が作り出している、というのは凄いシステムですよね。

森 ──

考えてやってるわけでもないし、自然にそうなったんでねー。