これから少し、山本先生に健康の秘訣をお伺いしたいと思います。 冷え症の女性が多いようですが、身体の冷えについては、先生はどうアドバイスをされていらっしゃいますか?
いくつも原因はありますが、女性の冷えの大きな要因として脂質が足りないことがあげられます。油が足りない、塩が足りない、鉄が足りない、筋肉が足りない。特に、意識して油を少なくしてる女性が多いですが、油は身体に必要です。
それは、精製加工された安価な油ではなく、品質の良い油を、ということですよね。ケイシーの健康法では油を身体の外からも内からも摂っていきます。ただ、揚げ物、炒め物といった高温に熱せられた油は避けます。
女性にはストッキングを勧めないということもご本にありましたよね。
ストッキングは化学繊維のものが多く、静電気が起きます。すると体内の電気エネルギーが悪くなります。冷えだけではなく、子宮筋腫や静脈瘤が起きやすくなるので、あまり強くお勧めしていません。
となると、ストッキングを履きたいなら、高級なシルクを。しかもお腹を締め付けないよう、腿のあたりまでのガーターストッキング、ということになりますね。猫が家にいると、なかなか高級なストッキングは買いにくいですが・・・(笑)。
次に、肝臓や腎臓のケアで何かオススメな方法はありますか?
簡単な腎臓ケアでお勧めなのは、足の裏をよくほぐす、ということです。足の裏は日陰の存在なので、たまには日に当てながらほぐされるといいと思います。肝臓は肝臓の辺りをよく叩く。そしてコーヒーがお好きならば、コーヒーを飲んでください。1日1、2杯をお飲みになると、肝臓の炎症が早く治ります。ただし品質の良いコーヒー豆を選んで、ブラックで飲んで下さい。
高血圧の方へのアドバイスは?
高血圧にも色々出来ることはありますが、肉体的には右の脇腹、あばらの下をよくつまむ。 ここを摘むと血圧は下がりやすくなります。ちょっと痛いなと思うぐらいほぐします。目に蒸しタオルを当て、目を温めるのも簡単でお勧めです。高血圧の方は果物は1日1つ以上食べるのもいいと思います。ただし、日本で育った果物がお勧めです。
そういえば、整体では、蒸しタオル(熱いタオル)を体に当てるという方法をよく勧めていますよね。目を温めれば 頭蓋骨が緩み、さらに骨盤が緩むので生理痛にもいいと先生のご本にありました。
目を温めると大脳の活動が少し緩まります。ひどい生理痛の方は、頭で考えすぎるという傾向があるようです。本来、女性は野性的で感情、感性重視なのに、社会に合わせていると大脳中心、理性中心になってしまいます。そうすると大脳に血液が集まり過ぎて子宮に血液が降りてこない。だから目を温めることで子宮に血液を送りやすくするわけです。
目を温めると肝臓の疲れも取れますね。
はい。目は肝臓とつながっています。お酒を飲んだ次の日などは朝一番に鏡を見ると眼つきが少し変化しています。アトピー性皮膚炎の原因の1つに肝臓疲労がありますが重度のアトピー性皮膚炎の方などは目がつり上がってしまう事もあります。肝臓の出張器官が目なので、目を温めると肝臓にも影響してきます。目が疲れやすい方は、毎晩でも目を温められるのはお勧めします。
体の気の流れについて、少しお話しいただけますか。
氣は経絡に沿って流れています。上昇する氣を陽氣、下降する氣を陰の氣と考えます。この2つの氣が交流し、廻っている状態を元気、健康な身体と考えています。気は全てに満ちています。空氣から取り入れることも、食物から取り入れることも可能です。食べることは「大地の氣功」だと言われており、食べることで、大宇宙に満ちている気の凝縮エッセンスを身体は取りいれていきます。食べた食物は氣と有機物に変換され、 栄養(水穀の精微)は左の腎臓に、氣は右の腎臓に収納されます。東洋医学では左右の腎臓それぞれに名前があります。
右の腎臓のことを「命門」、左の腎臓のことを「腎養(じんよう)」と言います。「命門」は、髪の毛が伸びる、背が伸びるなど、成長のための生気が格納されており、120歳分保存されておりそれを使うわけです。「腎養」は日々の食事や見たり聞いたり触れたりしたその感動のエネルギーや氣も貯めています。私たちは日々、その一日を無事に過ごす為のエネルギーを左右の腎臓から取り出して使って生活を送ります。
また、腎臓には右腎に「先天の氣」と左腎に「後天の氣」があります。「先天の氣」は寿命であり「後天の氣」は日々の生活の中で養われた精氣を指しており、それを1日の生活を無事に過ごす為に半々取り出しミキシングして使っています。もし「後天の氣」がうまく補充されなくては「命門」の「先天の氣」ばかりを使ってしまい 120年分のストックはすぐに使い切ってしまいます。現代人の生活環境は左腎の「腎養」を養うことに不利な環境で暮らしています。約100年前には存在しなかったものやケミカルなものが溢れており上手に養うことが難しく現代人の寿命が幸せな120年にならない理由の1つです。
現代は医療が爆発的に進歩した為に存命寿命は伸びていますが所謂健康寿命は約半分の60年〜70年ぐらいでしょうか。朝に目覚めて身体が動く事それ自体とても幸せで大切な事なのですが、人間はやはりそれだけでは幸せを感じることが難しいと思います。なので人間は様々な目標を設定し達成するという事を行います。もし、人間が「ヒト」ともう一度調和を取り戻す事が出来れば人間の夢は「ヒト」という強固な後ろ支えを持って進む事が出来ると思います。
ということは、喜んだり感動することは、腎臓に氣を貯めることになるわけですね。ケイシーのリーディングにも『肉体が栄養を必要とするように、精神も霊も滋養物を必要とする(5000-1)』というものがありますが、喜びや感動は精神や霊の栄養であり、さらに腎臓の氣の素にもなっているんでしょうね。