ジュリアン・シャムルワさんのタイトル 

Interview

ジュリアン ──

ええ、見ていましたよ。昔、友人たちと話をしていたときにも、そういうことがありました。“宇宙存在”にとって一番興味のあることは、人間の意識が転換するまさにその瞬間のようなんです。 ジュリアン仙台講演会

テンプル ──

なぜなんでしょう。

ジュリアン ──

この先、人間がより簡単に意識の転換を起こしやすくするためにはどうしたらいいのかを知ることができるから。それが彼らにとって勉強になるからです。

テンプル ──

彼らはみんなに意識のシフトをさせたがっているんでしょうか。それも少し急いでいるようにも感じられます。なぜでしょう。

ジュリアン ──

ご存じの通り、いま地球には温暖化にともなって様々な問題が出てきています。それは年々深刻になっているのにも関わらず、世界ではまだ『本当に温暖化が進んでいるのか?』というような煮え切らない話を続けているんですよ。残念ながら、もうそういう議論をしている場合ではないのです。本にも書きましたが、僕が“ガイアの叫び”を聞いたときに一番記憶に残ったのは、人や動植物が繋がっている絆が少しずつ失われてきていて、生態系が崩壊しつつあるということです。原因が分からないまま、世界各地で鳥類や昆虫などがどんどん絶滅の危機に追いやられているのは、そのほんの一例ですね。それが進んでいけば、当然地球全体にも僕たちにも影響が及んでくることは明らかです。

ワンネスの概念でいえば、すべては生命のネットワークで繋がっているのですから。そして、これからさらに地球環境の変化が激しくなっていくので、“宇宙存在”は大きな変化に対峙しなければならない僕たちをサポートしようとしているといえますね。だからこそ、僕たちの意識のシフトをうながそうとしているのでしょう。といっても、単純に地球の危機から人間を救けようとしている、というわけではありません。では何のために? その理由の一つは、それによって僕たちのライフスタイルを変えることができれば、危機的な環境破壊をどうにか食い止めることができるかもしれないということです。

テンプル ──

実際にジュリアンは、パリでコミュニティガーデンを主宰していたり、プラスチック製品を使わないように心がけていたりと、地球を救いたいという願いも込めながら活動をしているように感じられます。ジュリアンは地球の痛みや叫びを感じながらも、1人1人が生き方を変えることで地球の未来も良いシナリオに変化していくと、希望を持っているのではないですか?

ジュリアン ──

確かに、コミュニティガーデンは少しでも世の中にポジティブなエネルギーを広められたらいいな、と思って始めたことではあります。でも、ぼくの活動はより自然や宇宙のリズムに同調し、ワンネスの意識状態を深めるということの方に意義を見出しています。僕が思うに、“宇宙存在”が意識のシフトをサポートしているもう一つの理由というのはまさにこれ。むしろこちらの方に重きを置いているような気がします。 畑のジュリアン

僕たちがこのタイミングを選んで生まれ、そして生き続けているのは、ダイナミックな変化の時期をより広い視点からとらえることができるようになるため。そして、人間としての精神性を高め、地球に生きることの面白さを体感するためだと言えるのではないでしょうか。意識をワンネスに向けてシフトしていけば、そうした深い学びができるようになるのです。

テンプル ──

なるほど。たとえこれから地球の環境が激変し、人間が淘汰されるような状況になろうとも、私たちの魂はずっと生き続けるわけですからね。“宇宙存在”からすれば、人間が肉体を脱ぎ捨てることは大した問題ではないという(笑)。

ジュリアン ──

“ワンネス体験”をしているときに見たノンデュアリティの世界では、生死というのはそれぞれが一つのプロセスに過ぎませんでした。だから、喜びと悲しみという両極の感情のように、生きることと死ぬことも両方とも素晴らしく、そして美しいものだったのです。そんな風により広い観点から物事を見ていくということが、これからの時代を生きる鍵になるのではないかと思います。

テンプル ──

地球をより良い場所にしていくために、一人一人が自分のできることをしていくのはもちろん大事。ですが、より宇宙的な観点を持ってこの地球で幅広い体験を味わっていくことの方が、もっと大事だということですね。引き続き、“宇宙存在”からの新しい情報が入ったら、また教えてください。もしかしたら、今度は私のところにコンタクトが来るかもしれませんが(笑)。

今日は貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。

インタビュー、構成:河野真理子、光田菜央子