マスター・プラブジ、マスター・サティシュジ氏のタイトル

Interview

テンプル ──

先ほど、ヨガの八支則にある「ヤマ」をLife attitude(人生への態度)、「ニヤマ」をLiving attitude(日々の生活態度)だと言われていましたが、本やネットに書かれている「ヤマ」は禁戎(やってはいけないこと)、「ニヤマ」は勧戎(すべき行い)だと書かれています。この2つの概念について、もう少し具体的に教えていただけますか?

サティシュジ ──

「ヤマ」は生命倫理の義務、「ニヤマ」は日常生活における倫理的義務と言い換えてもいいかもしれません。「ヤマ」とは人生をどのように意識的に生きるか。善い行いをし、悪い行いをしない。例えば嘘をつかず正直に生きる。年長者や師を敬い、弱きものを助ける。生涯を通じてそのような態度で生きる、ということです。「ニヤマ」とは日々をどのように生きるか。どう自分を律しながら日々を送るかということ。早朝に目覚める、心や身体を浄化する、ヨガを通じて神経系を浄化する、良い食べ物を選ぶ、瞑想をする・・・。そういった日頃の過ごし方の態度です。

テンプル ──

ありがとうございます。そういった1つ1つのことは師から弟子に口伝で伝えられてきたのですか? 何か文章に書き記されているのでしょうか?

サティシュジ ──

過去全てのグルジが何千年もの間、プラブヨガを秘されたまま発展させてきました。椰子の葉に、寺院の経典に、石に刻みながら、そして口伝で伝えてきました。私たち兄弟は、プラブヨガの本当の真実を、オリジナルで科学的なフォーマットに基づき伝えるために、このヨガの研究に25年以上取り組んでいます。

テンプル ──

何千もあるプラブヨガのテクニックを、師からどのように学ばれてこられたのですか?

サティシュジ ──

ヤシの葉を読まなくても、私たちは深い瞑想状態に入ると、かつてのグルのスピリットがやってきて、古い技法を詩のように伝えてくれます。特に、プラナヤマ、バンダ(エネルギーロック)、瞑想法、ポーズなどは今でもそのような方法で師から学び続けています。

神経系の構造、骨格筋、臓器の強さは一人ひとり全く違います。機能は同じでも、一人ひとりの身体は全く違います。健康で長生きするためには、より多くのプラーナ(宇宙に偏在する生命エネルギー)を取り入れる必要があります。ヨガには、840万種類のポーズと1,300種類のプラナヤマ(ヨガの呼吸法)があると言われています。異なる構造と神経系を持つそれぞれの身体に合ったヨガのポーズ、適切なストレッチとプラナヤマを行うことで、プラーナが十分に取り入れられる身体になっていきます。

例えば、健康な人、不健康な人、ガン患者では行うヨガは全く違うカテゴリーになります。これらの人に同じヨガを教えることは出来ません。

練習風景

テンプル ──

サティシュジ先生は、プラブヨガだけではなくアーユルヴェーダの先生でもあるとお聞きしました。アーユルヴェーダをどのようにヨガに取り入れていらっしゃるんですか?

サティシュジ ──

脈診によって感じるナディ(プラーナの通り路)の動きで、その人がどのようなドーシャ(体質、病素の意/元素の不一致、マクロおよびミクロの栄養不良)があるかを教えてくれます。それにより、その身体の問題を深く感知し、理解することができます。正しい診断ができれば、どのようにその身体にアプローチしていけば分かります。

アーユルヴェーダやシッダでは、人は3つの生命ドーシャを持っていると捉えています。3つとは、ヴァータ(風・空気・ガス)、ピッタ(生命の火・熱・熱さ)、カパ(水、水分、冷気)です。どのような組み合わせかは、人によって全く違います。遺伝的な要素や体型も全く違うため、一般化はできません。

プラブヨガでは、熱タイプ(ピッタ)、水タイプ(カパ)、風タイプ(ヴァータ)と、それぞれ違うタイプの身体に合った体の動かし方、プラナヤマ(ヨガの呼吸法)をお伝えすることができます。

兄はヨガのポーズと、それに至るプラブヨガの動きを教えています。その動きを毎日実践することで、病院に行かずとも長生きできる身体になっていきます。肉体的な不調だけではなく、人生のなかで生じていた問題が少しずつ取り除かれ、目覚めから就寝までの生活が、より健康的なものになっていきます。

私たちの目標は、プラブヨガを世界に伝えていくことです。兄はすでに日本に2年半以上も滞在していますから、人々が直接、兄からプラブヨガを学べる安定的な状態になっています。

私たちは、全ての人が自然の恵みを生かしたオーガニックなライフスタイルや食習慣になることを願っています。私たちは、ずっとそうしてきました。自然に近い食生活に戻り、ヨガをすることで、ストレスのない生活を送ることができます。