マスター・プラブジ、マスター・サティシュジ氏のタイトル

Interview

テンプル ──

プラブヨガのクラスで私たちが何をしていたか、ざっくりご説明すると、一般的なヨガクラスでやるような、ヨガのポーズ(アーサナ)だけを連続して行うということはなく、1つのポーズを完成させる前に、身体の準備に時間をかけます。

神経の繫がり、脳から身体への伝達、関節の動き、血流、筋肉のリズムといった肉体へのアプローチ、呼吸(酸素とプラーナ)や意識へのアプローチを繰り返しているうちに、求められるポーズ(アーサナ)が楽にできるような身体になっていきます。

私が参加したクラスは、ヨガ歴の少ない中高年グループだったので、ポーズに入るまでにだいたい2~3時間かけていました。なので1回のクラスで行うヨガのポーズは1つ、ないしは3つくらい。ただ、身体を作ったあとでポーズを行うので、ヨガ歴が少ない私でも、ひょいと難しいポーズが出来たりしました。

ナオコさんのヨガのポーズ

また、求められるのがポーズの美しさではなく、内臓や筋肉に正しくアプローチ出来ているかどうか、身体にプラーナがちゃんと流れているか…。なので、どんなに脚が曲がっていようとも、高さが足りなくても「パーフェクト!」とプラブジ先生から声がかかりました。運動音痴で脚の短い私でも続けられているのは、そんなところにも理由があります(笑)。

私は、もともと運動が苦手で、完全インドア人間。今回の人生ではヨガは自分に関係のない世界だとずっと思っていました。それなのに何故だか(笑)、昨年(2021年)5月にプラブヨガのRYT200(ティーチャーズトレーニングコース)に、秋にRYT300に参加し、ヨガのインストラクター資格を得てしまいました。それ以後も、東京で開催されている1日クラスには出来るだけ参加しています。

何度もクラスに参加して分かったことは、クラスで指示される動きは、20%は過去にやったことのあるものですが、80%は初めてやることばかり。同じテーマでも、クラスの内容は毎回全く違います。

それでお聞きしたいのは、さきほどヨガのポーズには840万もの種類があると言われていましたが、それだけの種類のポーズをお二人は経験されてきたのか。そのポーズに至るためのプラブヨガの動きも、それだけの数があるのか。そして、過去のグルたちがオールトクラウドに蓄積し続けたものを、クラスで直感のような形で受け取って、私たちに教えて下さっているのか・・・。指示される動きの豊富さに毎回驚いているんですが・・・。

サティシュジ ──

20%というのは身体のウォーミング・アップですね。これは一緒です。コピーのように同じ動きを続けていては、生徒の役には立ちません。生徒が違えば、動きも違います。たとえ同じ生徒が来ても、その日その日で体の条件が違います。例えば、同じナオコさんでも、今日のナオコさんの脈動やエネルギーの流れは頭で、明日のナオコさんの脈動は胸かもしれません。だから、その都度、生徒のエネルギー量や顔の様子を感じながら、何を教えるかを決めています。

先日、プラナヤマ(ヨガの呼吸法)のクラスを開催しましたね。今週行ったら、全く違う内容になっていたかもしれません。チャクラを学ぶクラスも毎回内容は変わります。

先日のプラナヤマのクラスでは、当初100を教える予定のものが0.5%しか教えられませんでした。当初考えていたクラス構成とはまったく違っています。生徒さんのエネルギーを見ると、完全に初心者ばかりでした。今後は教えるスピードを落として、ゆっくり学んでもらえるようにしたいと思います。

せっかく技術を教えても、生徒の準備が整っていなければ、生徒の脳に入っていきません。そうすると、家に帰った後、自主練習をすることが難しくなります。ですから今後は、すべてのステップをもっとゆっくり教えて、生徒が家で練習できるようにしたいですね。

テンプル ──

先日あったプラブヨガのプラナヤマ(ヨガの呼吸法)のクラスは日本でも初開催でしたし、プラブヨガに参加するのも初めてという方もいましたから、アドバンスの内容はなかなか咀嚼が難しいです。

サティシュジ ──

本当に皆さん、初心者でしたね。

840万のヨガのポーズのうち、10万のポーズに至るプラブヨガの動きは解明されています。ですから、そのポーズに至る道を、どのように皆さんに教えればいいのかは知っています。 私たちは、クラスに座って生徒をみた瞬間に、彼らが必要としているヨガが分かります。ナオコさんがこの1年で学んできたプラブヨガも全体からすると、まだ幼稚園にも入っていないプレ幼稚園みたいなものです(笑)。まだまだ教えたいことはたくさんあります。

Prabhu Yoga

このヨガは得るものではなく祝福です。私たちのクラスは、単にヨガの技法や哲学を生徒に教えるというものではありません。ヨガはギブ・アンド・テイクではなく、祝福だと思っています。ヨガを続けることで何百万もの祝福を受け取り、その祝福を内面で活かし、輝かせていくことができます。たった1度、短い時間のクラスに参加したとしても、プラブヨガに参加した人にはグルの祝福を受け取っています。そして、それは私達からではなく、私達の師であるグルからの祝福です。

プラブヨガの教えは無限大です。小さな枠組には入りません。壮大な概念なのです。私はマレーシアに住んで14年になります。これまでは短い海外出張しかしてきませんでした。日本に長期滞在するのは初めてです。マレーシアでは、ガン患者さんは朝5時半に私のもとにやって来ます。9時半頃まで患者さんと接し、その後はプライベートセッション。お昼頃にランチをとり、20時までヨガクラス。マレーシアとシンガポールでは兄も私もずっと同じルーティンをこなしてきました。日本で初めて違ったタイムスケジュールでクラスを開催しています。