マスター・プラブジ、マスター・サティシュジ氏のタイトル

Interview

テンプル ──

私は、昨年RYT500まで学びましたが、私のように運動音痴で身体が硬い人間がプラブヨガのRYTを取得するより、もともとヨガの先生をしたり、ヨガ歴の長い人が学んだほうが、効率よくプラブヨガが広がるのではと思っていました。だけど「そういう人は、すでに出来あがったヨガの固定概念があるので、真っさらな人に教えたほうが素直に学んでもらえる」と言われ、そういうこともあるかなぁと。でも、やはり多くの方に広く伝えていくには、ヨガ歴がある人のほうが、安定感があるようにも思うんですが・・・。

プラブジ ──

ナオコさんはちゃんとヨガをしていると思いますよ。ヨガというのは内面から湧き出るもので、ライフスタイルそのものがヨガです。ポーズをするだけがヨガではありません。いま流行している商業ヨガは、ヨガマットを抱えてヨガスタジオに行き、ステップ1,ステップ2と学んでいくみたいな、定型のヨガイメージや理想像が作られています。でもナオコさんがそういうイメージを壊してくれて、本来の自然なあり方に戻してくれたと感じています。インドではヨガはそんなにトレンディなものでもありませんから。

これからはRYTのクラスを減らして、プラナヤマ、瞑想、チャクラクラス、ヨガセラピーといったクラスを増やしていきたいと思っています。1年を通じていろんなクラスを選んでもらえるように準備したいと思っています。

テンプル ──

私は相変わらず出来ないことは多いですし、ドタバタのヨガです。先日のプラナマヤ(ヨガの呼吸法)のクラスでは風船を膨らませられず、落ちこぼれていました。でも、先生がそれでいいと言われているので、同じような皆さんも気が楽になるはずです(笑)。

さて、次は食事についてお聞きします。

お二人ともヨガを教える日は朝から水も飲まないし、ランチも食べない。夜も少食です。ビーガンなので肉や魚も召し上がらない。プラーナが充実してくると食べなくても大丈夫、ということは、お二人をみて実感します。柔軟な身体ですが筋肉はしっかりついていますし。

睡眠もそれほど長くなさそうです。睡眠も食事も人間の生きる基本。喜びの1つだと思っていたので、お二人がその常識をぶち破って下さいました。ヨガをやっていると、睡眠や食事をあまり必要としない体になっていくのでしょうか。早朝に起きて夜まで水も飲まず、何も食べなくても、喉が渇いたりお腹が空いたりしないんですか。その辺りをお聞きしたいです。

サティシュジ ──

誤った概念がヨガにあると思います。ヨガをする人は1日3食を食べて、1日8時間しっかり寝ないといけないというような。

インドにプラフレード・ジャニという男性がいました。またの名をマタジもしくはチュンリワラ・マタジといいました。彼はインドのブレサリアン僧、つまり呼吸だけで生きたお坊さんで、1940年から食べ物も水もとらずに生きてきたと主張しています。彼は水も飲まず、何も食べませんでした。本当に何も食べてないのかを調べるために15日間施設に隔離されましたが、何も食べないだけでなく排泄物もありませんでした。尿が体内でリサイクルされていたそうです。

 参考)77年間『飲まず・食わず』のインド人…嘘だろ?と実験された結果…

 参考)飲まず、食わず、出さず!? 70年間“不食”で生きる聖者を15日間監視した結果がヤバすぎる!!

彼は呼吸法と瞑想だけで普通に生活をしていました。内分泌腺からホルモンがきちんと分泌され、そこから十分な栄養を得られるなら可能なのです。微量元素や主要な栄養素は体内で生成されます。彼に比べたら、私たちは比べものになりません。 ヨガクラスがある時には、生徒の体調や体力、エネルギーの変化に気づけるよう、私たちは夕方まで何も食べずにいます。夜は少し食べます。ただ、クラスが14時以降にある日は朝食を少し食べます。生徒にエネルギーをちゃんと供給できるようにしておきたいからです。 プラナヤマを実践し、プラーナを十分得られれば、肝臓は何でも生産することができるのです。

テンプル ──

私はあと4キロほど体重が増えるといいなぁと思っているんですが、プラーナを十分体に取り入れられるようになると太ることできますか?

サティシュジ ──

まずは、全ての食事にギーを入れることをお勧めします。そうすると筋肉の生産量が増えます。ただし、60歳を過ぎると大量のギーを消化吸収できなくなり心臓を痛めてしまうので、せいぜい1日に20滴程度にしましょう。ちなみに膵臓が適正体重を決めています。糖尿病の人が急に痩せるのはそのためです。太りたいなら炭水化物ももっと食べる必要があります。日本のお米はでんぷん質が多すぎるので、玄米や大麦、ヒエ、アワといった雑穀の方がよいでしょう。ただ、時には炭水化物をお休みして、ナッツや野菜、果物だけを食べる日をもうけたほうが良いです。マインドがすっきりしますし、毎日、大量の炭水化物を食べ続けると内臓が疲れてしまいますから。

カレー

これは「プラティヤハーラ(制感)」に通じるトピックです。「プラティヤハーラ」は、肉体のデトックスとメンタルのデトックス、感覚機能のデトックス、運動機能のデトックスといった重要なものです。感覚機能(鼻、目、口、耳、皮膚)は私たちのカルマに関連する器官です。デトックスには血液浄化が重要で、血液浄化には「渋み、苦み(astringent)」の成分が使われます。これらはザクロの皮やグァバの葉に多く含まれています。渋みや苦味は、膵臓、心臓、腎臓、肝臓など血液浄化に関わる臓器をサポートします。

プラブヨガの動きは、これらの臓器にアプローチして体を温めます。体を温めないと、血液はうまく浄化されません。正しく食べて身体を温め続ければ、健康になります。