山田周生氏のタイトル

Interview

未来について

テンプル ──

私たちはこの地球に、様々な体験をしに来ました。日本に生まれ、3.11を経験し、この2年間の出来事を経験しました。この体験をどう感じ、どう未来に活かせるのか。周生さんはこれからの世界をどう感じ取っていらっしゃいますか?

周生 ──

東日本大震災やコロナがあったことで機械の歯車のような画一的な生き方から個性豊かなオリジナルな生き方、自分らしさを解放する生き方にシフトしていくきっかけなったと思います。

2030年が大きな分岐点となると感じています。地球で人間が持続可能な形で生きていけるか、地球のバランスが崩れ修復できない状況になるかの分岐の時とも言われています。

SDGsのゴール目標が2030年にセットされているのもこの2030年が地球の持続可能な惑星として存続できるかの分水嶺になるからだと思います。

震災のがれきとBDFカー

これからもいくつかの試練も乗り越えなくはならないかもしれませんが、今だからこそ、この時代に自分らしく生き自分の道を歩き始める人と、そうではない人とに大きく分かれるようになるでしょうね。

自分らしく生きるとはどういうことでしょうか。言葉で簡単に説明できませんが、いわばそれはハートに従って生きること。思考と魂が同じ方向を向いていること。人類はこの地球上で、すでに十分な時間とドラマを経て、自分らしく羽を広げ羽ばたく時期がやってきたのだと思います。

イメージが現実になるスピードは、今までに増して早くなっています。まずは誰かの真似ではなく個人レベルでできることから始める。日常の食を自分で作り、奪い合わず、分かち合い、自然の中でもっと自分の時間を過ごすことで、心と身体が自己調整されるでしょう。自分が調整され良くなる分、地球も同期していい状態に整えられていくのではないかと思っています。

自分の思考が、魂と同じ方向を向いているかどうか。持続可能なのかどうかが鍵となり、未来に大きく影響していくと感じています。思考と魂が同じ方向に向いているかは身体で確認ができます。例えば、やろうとすることをイメージした時力が湧いてくるか、また逆かどうか。身体は正直です。

必要なものはできるだけ丁寧に自分で作り、自分で収穫を味わう。これは食のことだけでなく、いろいろなことに言えることです。さらに枠に囚われることなく自由に行動し、心と身体の内側からワクワクすることをしていく。そんな時代が目の前にあるように思います。

そして、そのような生き方を無意識に求めている人々が増えているように感じています。そういう人たちのための受け皿を作れたらと。この東北の地に、小規模ですが家族のように一緒に暮らせ、学べ、分かち合う場所を整えているところです。

テンプル ──

私は1日中パソコンの前で過ごしていますから、私も自然の中での微調整が必要です。農作業はすぐにへたりそうですが。

最後に、周生さん、これから行ってみたい場所はありますか?

周生 ──

今やっている事がひと段落したら北極圏を犬ぞりで旅をしたいかなぁ。それと70歳になっても80歳になってもバイクでサハラをまた縦断したいですね。

テンプル ──

しばらく釜石で大きなお役目がありそうですが、周生さんの犬ぞりの写真も楽しみにしています。

今日は素晴らしいお話をありがとうございました。

インタビュー、構成:光田菜央子